海が呑む

――3.11東日本大震災までの日本の津波の記憶

花輪莞爾 山浦玄嗣
四六判 216頁
定価:本体1400円+税
978-4-7949-6772-5 C0095 〔2011年〕


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三陸海岸、紀伊半島、奥尻島――。近現代日本を襲った巨大地震津波の傷痕を訪ねて、被災した人々の体験談を丹念に集め、時の経過と共に忘れられがちな大津波の恐怖を文芸的筆致で仕上げたルポルタージュ集。津波被害の大きかった岩手県大船渡で、自らも被災しながら医師として奔走した、作家でもある山浦玄嗣氏が3.11実体験記を特別寄稿。

 

目次
海が呑むⅠ ―三陸海岸(岩手県三陸町綾里、大船渡町)―
海が呑むⅡ ―津軽半島、秋田県能代市―
海が呑むⅢ ―紀伊半島沿岸(尾鷲市、那智勝浦町、広川町)
奥尻島悲歌 ―北海道奥尻郡奥尻町―
特別寄稿 3.11巨大地震津波体験記
☆佐野眞一氏推薦!
津波は大災害をもたらすとともに、人を夢魔のような幻想に誘う。エドガー・アラン・ポーの『メエルストルムの渦』は、海の底に引き込まれる恐怖感で髪の毛が真っ白になった漁師が魅惑的に描かれている。この『海が呑む』も、日常生活に不意に襲来する大津波が白昼夢にも似た味わいで描写されている。
「胡麻汚しした巨大な蒟蒻のような波が……背をぬるぬる光らせて中空まで持ち上がり迫っていた。小高い鉄道の路床を夢中で這いのぼり……余勢を駆った波頭は、岸壁からのり上げ一切を呑み尽くした」。この形容は、芥川賞の候補に二回あがった幻想文学者でなければできないシュールな表現である。恐怖のすぐ裏に甘美さが張りついていることを見逃してはならない。
本書に併録された、新約聖書を気仙地方の方言の“ケセン語”に翻訳したキリスト者にして医師の山浦玄嗣氏が記した「3.11巨大地震津波体験記」も、当事者ならではのディテールが満載されていて必読である。
※本書の売上の一部は、東日本大震災で被災された方への義援金として寄付されます。

◇花輪莞爾(はなわ・かんじ)
1936年東京生まれ。フランス世紀末文学、とくにアルチュール・ランボーを研究。 

◇山浦玄嗣(やまうら・はるつぐ)
医師。大船渡市盛町において山浦医院を開業。
気仙沼地域の言葉であるケセン語研究者としても有名で、著書に「ケセン語訳新約聖書」シリーズなどがある。

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