近くても遠い場所

――一八五〇年から二〇〇〇年のニッポンへ

木下直之 著
A5判 336頁
定価:本体2500円+税
978-4-7949-6934-7 C0095〔2016年9月〕


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この場所の1年前、10年前、100年前の姿は?
自分が生まれた年の50年前は、どんな時代?

戦前に町の中にあった戦争の英雄・軍人像が戦後は平和を祈る裸体像に変わった。戦後に多く作られた動物園は、いまや財政難で、おいそれと野生のゾウを購入できない。多くの祭りは神輿を担いで盛り上がるが、江戸では仮装行列をして練り歩いた。
隣にあってしかるべきだと思っていたものは、常に刻々と変化している。
見世物、絵馬堂、美術館、動物園、お城、戦争……著者は見慣れた風景の中に、見落としてきたものを見つけ、新たな意味や価値を発見する。およそ150年の日本社会の変遷を、風景から掘り起こす歴史エッセイ。

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【目次】

一 近くても遠い場所

近くて遠い旅
ある死刑囚の絵

 

二 ひょんなことから 一八五〇〜一九五〇年代ニッポンへの旅

ふたつの星条旗の間で 一八五三~一九四五年
真っ平ごめん 一八五五年
ただの人とただではない人 一八六〇年
人間普通の権義 一八七二年
なりふりかまって 一八八八年
人形を超えるもの 一八九五年
板と泥 一九〇〇年
共楽と集古 一九一〇年
バラック御殿と無縁寺回向院 一九二三年
皇帝溥儀の東京見物 一九三五年
防空都市と焼け野原 一九四五年
ちょっと飛びこむ美術館 一九五二年

 

三 ひょんなことから 一八五〇〜一九五〇年代ニッポンへの旅のつづき

開港場横浜の祭礼 一八六〇年
古都鎌倉異こと案内 一八七〇年
前田侯爵家の西洋館 ――天皇を迎える邸、一九一〇年
トランプのジャックと人間の服を着たチンパンジーの間で 一八五三~一九四五年

 

四 見世物小屋にて

いま見世物を見ることについて
仏像を拝まなくていいの?
こんぴら賛江
一揮千紙快筆の画家 ――河鍋暁斎の人と作品
圬を使う者 ――伊豆の長八
戦争と見世物

 

五 靖国神社にて

戦争博物館のはじまり
戦争に酔う国民 ――日清戦争と日本人
先の戦争の中の先の戦争の記憶 ――戦利品はどこへ消えた
死者がよみがえる場所

 

あとがき

 

◇木下直之(きのした・なおゆき)
1954年静岡県浜松市生まれ。東京藝術大学大学院中退。兵庫県立近代美術館学芸員をへて、東京大学大学院教授(文化資源学)。見世物、祭り、銅像、記念碑、博物館、動物園、城に戦争などを通して日本の近代について考えてきた。
著書に『世の途中から隠されていること――近代日本の記憶』(晶文社)、『わたしの城下町――天守閣からみえる戦後の日本』(筑摩書房、芸術選奨文部科学大臣賞)、『美術という見世物――油絵茶屋の時代』(平凡社、サントリー学芸賞)、『戦争という見世物――日清戦争祝捷大会潜入記』(ミネルヴァ書房)、『銅像時代――もうひとつの日本彫刻史』(岩波書店)、『股間若衆――男の裸は芸術か』(新潮社)など。2015年春の紫綬褒章。

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