日本の気配

武田砂鉄 著
四六判並製 296頁
定価:本体1600円+税
978-4-7949-6994-1 C0095 〔2018年4月〕


アマゾンで購入する
楽天ブックスで購入する
セブンネットで購入する

 

ムカつくものにムカつくと言うのを忘れたくない。
一億総忖度社会化に歯止めをかける評論集!

「空気」が支配する国だった日本の病状がさらに進み、いまや誰もが「気配」を察知することで自縛・自爆する時代に? 「空気」を悪用して開き直る政治家たちと、そのメッセージを先取りする「気配」に身をゆだねる私たち。一億総忖度社会の日本を覆う「気配」の危うさを、さまざまな政治状況、社会的事件、流行現象からあぶり出すフィールドワーク。

————————————————
本書の「はじめに」がこちらから読めます»»
————————————————

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【目次】

■第1章 空気と気配
ヘイトの萌芽/「われわれ」とは誰なのですか/あいつがテロリストかもしれないよね/悲しみをとどめる/「笑われる」気配

■第2章 政治の気配
胸に刻み続ける〝官設〟話法/「他よりマシ」と付き合う/憤りを引きずる/嘲笑のひとつひとつを許さない/「ハーフ」ではなく「ダブル」/「2020年」でうやむやにする人たち/国民を置き去りにする政治の「正しい言葉」/正しい家族になりましょう/空気を管轄する

■第3章 愚者と巧者
「誤解」と言わせないための稲田朋美入門/小池百合子のテレビ活用法/「昭恵夫人だから」で許しちゃう感じ/イヴァンカ・トランプ初来日公演/ショーンKとの向き合い方/乙武氏の不倫を許そうとした雰囲気/長谷川豊の「日本語の持つ力」/秋元康の「右傾化」パフォーマンス/野田佳彦の「ドヤ顔レトリック」がいつも微妙/なんと、美しく下品であるのだろう/思うがままに糞をする

■第4章 隷従する私たち
予測された混迷─ただ解体が進んだ国立競技場/地方創生と原発広告/首相を揶揄する落書きを描いた場合のみ逮捕される社会/軽減税率適用を懇願する新聞・出版の体たらく/左派が天皇陛下の言葉にすがる理由/鼻くそを自由にほじれない社会/一体どこまで監視を許容するのか/マイナンバーを提供しません/子どもにすがる消費税増税CM/「安楽死」を〝お涙頂戴〟の新ネタにするな/「ダウン症が増えました」という記事の暴力性/ニール・ヤングがスターバックス不買運動を起こした理由

■第5章 強いられるコミュニケーション
駅長の言葉に歯向かう/訃報をこなす感じ/「させていただく」への違和感/吃音者と「コミュニケーション」能力/「ありがとうございました」と言ってくれるかもしれない/コミュニケーションを「能力」で問うな

 

◇武田砂鉄(たけだ・さてつ)
1982年東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年秋よりフリーライターに。
著書に『紋切型社会──言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社、第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)、『芸能人寛容論──テレビの中のわだかまり』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)などがある。
関連書籍