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概要

失敗力

187 教育対談反抗期は親離れ・子離れの時期中曽根:自信をつけさせるには具体的に褒めるということは分かりました。他にも方法はありますか?柳沢:生活力がつくことも子どもにとっては自信になります。子どもは思春期になったら、親から離れなきゃいけないと本能として何となく感じ始める。しかし、自分にはまだ生活力がないという葛藤や不安が、一番訴えやすい相手に向けられて反抗になる。それは大概、母親です。親は、思春期に重なる反抗期っていうのはそういうものだと理解して、「反抗することが成長のひとつのステップなんだな」と思わなくてはいけないですね。中曽根:そうですよね。反抗してきたら「やった!」ぐらいに思えばいいんですね。ただ親は、手をかけることで得られる安心だったり、反対に親離れで自分の役割を奪われてしまう寂しさだったりとかがあって、反抗期を受け入れるのは案外難しいですよね。柳沢:それはあります。子どもがどういうタイミングで親離れをするかというのは、親は自分が育ってきたプロセスを考えてみるとよく分かるはずです。自分がいつ親離れしたか。それは異性の親とお風呂に入らなくなった時です。別に誰かが「入っちゃいけないよ」って言ったわけじゃないけど、何となくそうなるでしょう。それが本能なの。だから、自分が親離れした年代と子どもの年代を照らし合わせて、子どもがその年齢であれば親離れが始まる時で、そこから親の教育はほぼ無力になっているってことを考えなきゃいけないのです。中曽根:そうなった時には、親は子ども達が学校の先生、友人、先輩との間で育っていくところを見守っていれば良いのですか?柳沢:そう、見守ってあげることが大事だね。中曽根:思春期になったら、親は、それまでより少し離れた場所から子