ミステリー [僅少本コーナー]

 

マーロウ最後の事件
マーロウ最後の事件
レイモンド・チャンドラー 稲葉明雄訳〔1975年〕
定価1733円 四六判 346頁

送られてきた箱のなかには、削りたての鉛筆が一本―― いわずと知れた死の宣告だ。快調なすべり出しから、意外なトリックの明かされる結末まで、ハードボイルドのエッセンスが凝集した傑作集。原作に惚れぬいた訳者が丹精こめた訳文でおくる。

さらばニューヨーク
さらばニューヨーク
ウィリアム・アイリッシュ 稲葉明雄訳〔1976年〕
定価1835円 四六判 368頁

懐かしい「セントルイス・ブルース」のメロディを口ずさみながら、盲目の母の許へ帰ってきた息子は、おたずね者の一味なのか? ムードたっぷりに描きあげるブルーな世界。サスペンス小説から怪奇ファンタジー、パロディまで、選りすぐりの決定版短篇集。

妻は二度死ぬ
妻は二度死ぬ 終了しました
ジョルジュ・シムノン 中井多津夫訳〔1985年〕
定価2141円 四六判 256頁

パリの宝石デザイナー、セルラン。彼の妻が、行くはずもない街の通りでトラックに轢かれて死んだ。彼女はなぜ、その日、その場所へ出かけたのか? 事故現場を訪ねたセルランは、思いもかけない妻の秘密に行きあたる―― 巨匠シムノン最後の傑作ロマン。

ポケットから出てきたミステリー
カレル・チャペック 田才益夫訳〔2001年〕
定価2520円 四六判 328頁

珍種のサボテンはいかにして消えたか? ゆかいな結婚詐欺師のおちいった罠とは? 切手コレクターの哀しい人生の顛末は? 人間のおかしさ、愚かさ、ぎこちなさを、とびきりのユーモアとウィットにくんで贈る、ショート・ミステリーの名品24篇。

女探偵大研究
女探偵大研究
キャスリーン・グレゴリー・クライン
青木由紀子訳 〔1994年〕
定価4689円 四六判 450頁

V・I・ウォーショースキー、K・ミルホーン。今や大活躍の女探偵たちは、男の世界だった探偵小説をいかに変えたか。1864年から現在まで、120年間300冊の女探偵像を徹底分析。新しいミステリーの可能性を提示する、刺激的な評論。

ベストミステリー10年
ベストミステリー10年
北上次郎〔1993年〕
定価2548円 四六判 448頁

血湧き肉躍る冒険。心を熱くさせる友情。ページを繰るのももどかしい、その面白さを満喫してもらいたい―― 北上次郎が熱いメッセージを軽快な筆致にのせて贈る、1983年から1992年までに刊行された翻訳ミステリー読書案内の決定版。

ベストミステリー大全
ベストミステリー大全
北上次郎〔2002年〕
定価2940円 四六判 408頁

ミステリーからSF、冒険、ロマン、オールラルンド・プレイヤーの読み手といえば、この人・北上次郎。軽妙で洒脱な解説。時には駄作に怒りをぶつける。これも、愛があるからだ。14年間にわたる400冊余を、熱き書評家が料理する!

ミステリー歳時記
ミステリー歳時記
小泉喜美子〔1985年〕
定価1366円 四六判 264頁

こよなく愛する外国ミステリーを肴に、ちゃきちゃきの下町っ子作家が歯切れのよいタッチで綴った、ミステリーによる歳時記。四季折々の殺人を枕に、その美と毒と、笑いとアクションと、重厚さと面白さとを、親しく率直に語り明かす。

こんな探偵小説が読みたい
こんな探偵小説が読みたい
鮎川哲也〔1992年〕
定価3262円 四六判 448頁

奇篇『墓』の阿知波五郎をはじめ、忘れ難い名作を書きながら、いつしか表舞台から姿を消した12人の作家たち。その生涯を追跡したエッセイと、いまなお新鮮な光をはなつ実作品との2本立てで贈る。好評『幻の探偵作家を求めて』第2弾!

乱歩おじさん
乱歩おじさん
松村喜雄〔1975年〕
定価2345円 四六判 272頁

少年探偵団の小林少年のモデルは私だった? 年少のころから親戚の子どもとして乱歩の身近にいた著者による書き下ろし乱歩論。乱歩の全作品を読み直し、見聞したエピソードの数々をまじえつつ、日本の推理小説における乱歩の意味を明らかにする。

シャーロック・ホームズの醜聞
シャーロック・ホームズの醜聞
小林司 東山あかね〔1999年〕
定価1995円 四六判 256頁

富と名声をもたらしたホームズを、ドイルはなぜ殺さねばならなかったのか? 不幸な夫婦像や、病んだ医師、コカイン依存症などホームズ物語に隠された「暗号」をもとに日本を代表するシャーロッキアンがその謎に迫る、推理小説より面白い画期的評論。

名探偵ポワロの華麗なる生涯
名探偵ポワロの華麗なる生涯
アン・ハート 深町眞理子訳〔1998年〕
定価3360円 四六判 352頁

「灰色の脳細胞」をもつこの小さな洒落者ほど、20世紀の犯罪者たちに恐れられた探偵はいない。クリスティーの書いた長短89篇を渉猟し、人間ポワロの姿を浮かびあがらせる。『ミス・マープルの愛すべき生涯』の著者によるミステリー研究の白眉。