晶文社オンデマンド選書

野溝七生子というひと 散けし団欒

矢川澄子
A5判 216頁 3240円(本体3000円)
ISBN978-4-7949-1085-1 C0095

大正・昭和の文壇で特異な地歩を占めた作家、野溝七生子。彼女はまた、辻潤をはじめ男たちを引きつけてやまない魅惑的な女でもあった。暴君的父、若き日の恋、四半世紀におよぶ孤高のホテル暮らし…その生の軌跡を愛情をこめて証す。「人生を描きだされた女性と描けだした女性の、この世での『団欒』の附k佐賀切々と胸をうつ」(読売新聞評)。

ラディカルな日本国憲法

C・ダグラス・ラミス  加地永都子訳
四六判 228頁 3456円(本体3200円)
ISBN978-4-7949-1095-0 C0030

日本国憲法が実現しようとした世界はどのような世界なのか?平和憲法の根源を解明する表題エッセイほか、民主主義論、フィリピン紀行、粉川哲夫との対談など、今日の政治自己満足から人々の目を覚まさせるエッセイ集。「西欧の民主主義の最良の伝統を示す、それこそラディカルな一書といえる」(京都新聞評)。

現代の職人

石山修武
四六判 488頁 4860円(本体4500円)
ISBN978-4-7949-1087-5 C0052

建築家、デザイナー、技術者、俳優、ディレクター、編集者、酒場の主・・・。便宜上さまざまに呼ばれていても、その仕事はどこか一点「職人」と呼ばざるをえないキラメキがあれば、それは職人だ。有名無名を問わず、モノを作ることの楽しみをきわめた59人をその職場に訪ね、大量生産の時代を切り裂く生き方を縦横に語らしめたエッセイ。

職人共和国だより 伊豆松崎町の冒険

石山修武
A5判 216頁 3564円(本体3300円)
ISBN978-4-7949-1088-2 C0052

富士山の見える海辺の小さな町に、全国から左官の名人たちが集まった。美術館が建ち、野外劇場がつくられ、空中庭園ができ・・・どこにでもある町が、どこにもない町に変わっていった。いったい、この町に何がおきたのだろう?「奇想天外な《故郷づくり》の活動を、ほとんど現在進行形で書きつづった楽しい報告」(サンデー毎日評)。

一建築家の信條

前川國男著 宮内嘉久編
四六判 384頁 5076円(本体4700円)
ISBN978-4-7949-1102-5 C0052

1931年帝室博物館コンペから、74年東京海上火災ビルの「美観論争」まで、建築家前川國男のたたかいとは何であったか。前川自らが半世紀にわたる仕事の意味を率直に語る対話のほか、日本の近代建築の命運をたどる。「現在、文化あるいは思想としての建築を顧み、考える上に好適な本である」(週刊朝日評)。

大阪の笑芸人

香川登志緒
四六判 272頁 3456円(本体3200円)
ISBN978-4-7949-1103-2 C0076

人を笑わせることを至上の目的に、体当たりでそれを演じる大阪の笑芸人たち――漫才、落語、喜劇など多様なジャンルにわたる歴史と現在の姿を、かつて日本中の茶の間に爆笑の渦をまきおこした「てなもんや三度笠」の作者が、やすし・きよし、桂米朝、藤山寛美らとの対談をまじえて描きだす本格的上方喜劇史。詳細な喜劇年表つき。

さよなら名人藝 桂文楽の世界

山本益博
四六判 259頁 3240円(本体3000円)
ISBN978-4-7949-1104-9 C0076

「はなやぎ」にみちた文楽の噺の空間。その芸の秘密はなにか。文楽に魅せられたひとりの若者の情熱が、ついに一冊の本を生んだ。文楽、志ん生をはじめ、正蔵、円生、小さんなど名人 の本質に迫る本格的落語評論。小沢昭一との解説対談収録。

ブルース世界地図

鈴木啓志
四六判 340頁 4320円(本体4000円)
ISBN978-4-7949-1107-0 C0373

ブルースは時代をこえ国境をこえて、なぜ私たちの心をうつのか。アメリカの奴隷解放後、黒人の共同性が南部の農村から北部の都市へ、さらに世界中へと広がっていった道筋を解明しつつ、ブルースの強靭な生命力を掘りおこす。「なにげなくブルースという言葉を使い、演奏し、あるいは聴いている人に大きな示唆を与える労作」(朝日新聞評)。

フラメンコの歴史

浜田慈郎
A5判 464頁  5724円(本体5300円)
ISBN978-4-7949-1107-0 C0373

アンダルシアの地にジプシーたちが生み育てた情熱的な民俗芸術の歴史を壮大なスケールで描きだす。多数の写真や楽譜、レコード目録やアーティスト名鑑を収めた決定版フラメンコ大全。「フラメンコについて書かれたこれほどに分厚い本をスペインにおいてさえ見かけたことがない。これは世界でも画期的なことであろう」(朝日ジャーナル評)。

音楽のおしえ

高橋悠治
四六判 272頁 2808円(本体2600円)
ISBN978-4-7949-1090-5 C0073

音楽批評における小林秀雄の呪縛をたちきった快エッセイ〈小林秀雄「モオツァルト」読書ノート〉をはじめ、吉田秀和論、バッハ論、ベートーヴェン論ふたつ、エリック・サティ論、クセナキス論などを収録。聴衆、批評、演奏、作曲の新たな組織化を模索し、音楽の全体性をめざして書きつがれた、第2エッセイ集。

ジャズが若かったころ

内田修
四六判 224頁 3240円(本体3000円)
ISBN978-4-7949-1107-0 C0373

外科医にして無類のジャズ・クレイジー、その名も「ドクター・ジャズ」と呼ばれる著者の青春は、そのまま日本のジャズの青春だった。若き日の渡辺貞夫や富樫雅彦、日野皓正や山下洋輔らとの心暖まる交流を通して描く、もうひとつの戦後ジャズ史。

映画の学校

双葉十三郎
A5判 314頁 4860円(本体4500円)
ISBN978-4-7949-1105-6 C0074

西部劇、サスペンス映画、ミュージカル・・・ ぼくたちの映画館はメリーゴーランドのように廻る! 朝から晩まで映画を見ていた双葉十三郎が、「バンド・ワゴン」から「冒険者たち」まで数々の傑作を語りつくすユニークな映画の学校。イラスト=河村要助。