検診で見つかるがんの8割は良性がんである

――過剰診断時代の予防がん学

渡辺泱 著
四六判並製 238頁
定価:1,815円(本体1,650円)
978-4-7949-7097-8 C0047 〔2019年6月〕


アマゾンで購入する
楽天ブックスで購入する
セブンネットで購入する

 

検診で早期がんが見つかったら、あなたはどうしますか?
すべてのがん患者と家族、医療者に知ってもらいたい、
がん治療の新常識

検診で発見されるがんの約8割は自然に生長を止める「良性がん」である。「早期診断・早期治療」は必須の対策ではない。そんな衝撃的な事実によって、がん治療の常識が変わろうとしている。がんが「過剰診断」され、必要のない治療によって苦痛を受ける「がん患者」が多数生まれるなか、「病気のがん」と「病気とは言えないがん」をどう見極めるか。わたしたちはがんとどう向き合えばよいのか。世界で初めて前立腺検診を開始し、がん検診普及に長年尽力してきた著者による、過剰診断時代における「意図的監視」の効用とがん予防の最前線を伝える啓発書。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【目次】

はじめに かなりの早期がんは放っておいてよい
1 前立腺がん検診──その開発と発展の歴史
2 がんの成り立ち──発がんについて
3 がんの進展──がんの自然史について
4 がんの消滅と停滞──かなりのがんはある時期に生長を止める
5 がん検診の過剰診断問題──それでもがん検診にはがん死亡の30%を救命できる可能性がある
6 意図的監視のすすめ──過剰診断問題にどう対応するか
7 がんの趨勢と社会──がんは高度成長時代の病気だった
8 がん予防の方法論──予防がん学について
9 それぞれのがんの予防がん学──がんごとに予防法は異なる
10 では現実にどの順番でがんを予防したらよいか──三大リスクは「たばこ・酒・不衛生なセックス」
あとがき 「良性がんは80%」の意味について/がんだけを狙った局所治療について

 

渡辺泱(わたなべ・ひろき)
1935年生まれ。東北大学医学部卒業。東北大学大学院修了。医学博士。京都府立医科大学教授(泌尿器科学)、明治国際医療大学大学院教授(予防医学)などを経て、現在京都府立医科大学名誉教授。渡辺記念長命研究所所長。日本泌尿器科学会「坂口賞」、朝日がん大賞、日本超音波医学会特別学会賞など受賞多数。勲2等瑞宝中綬章受章(2017年)。編著書に、『超音波腎臓病学』(金原出版)、『腎と泌尿器科超音波医学』(南江堂)、『排尿障害のすべて──病態と治療』(医薬ジャーナル社)、『チーム医療従事者のための臨床医学全科』(金芳堂)など多数。
関連書籍