だから、もう眠らせてほしい

――安楽死と緩和ケアを巡る、私たちの物語

西智弘 著
四六判並製 252頁
定価:1,760円(本体1,600円)
978-4-7949-7187-6 C0095 〔2020年7月〕


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僕は医師として、安楽死を世界から無くしたいと思っていた。

安楽死を願った二人の若き患者と過ごし、そして別れたある夏に何が起こったか――。オランダ、ベルギーを筆頭に世界中で議論が巻き上がっている「安楽死制度」。その実態とは。緩和ケア医が全身で患者と向き合い、懸命に言葉を交し合った「生命(いのち)」の記録。

オランダでは年間七〇〇〇人が安楽死を迎え、日本の世論でも国民の七割が賛成を表する「安楽死制度」。

スイスに行く手続きを進めながら、それが叶わないなら緩和ケア病棟で薬を使って眠りたいと望んだ三〇代の女性。そして看護師になることを夢に、子供たちとの関わりの中で静かに死に向かっていった二〇代の男性。二人と過ごした日々を通して見えてきたものとは。

写真家で多発性骨髄腫をかかえる幡野広志氏、世界中の安楽死の事例を取材して紹介した宮下洋一氏、そして精神科医の松本俊彦氏と、在宅で緩和ケアを行っている新城拓也氏との対談も収録。

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【目次】

プロローグ
・吉田ユカからの電話

1:止まってしまった心――吉田ユカの場合
2:もう一人の安楽死――Yくんの場合
3:暮らしの保健室
・看護という力
・死の色と雨
4:スイスに行けない
5:安楽死に対峙する、緩和ケアへの信頼と不信――幡野広志と会う
・幡野広志と吉田ユカ
・緩和ケアを信頼できない理由
・耐え難い苦痛とは何か
6:安楽死の議論はやめたほうがいい――宮下洋一に会う
・パンクするスイスの現場
・流れ作業化する安楽死
・海外の安楽死システムは完全か
7:命ではなく、希望を守りたい
・Yくんの右腕
8:安心して死にたいと言える社会――松本俊彦に会う
・安楽死をしたい人に、安楽死で応えるべきなのか
9:もし未来がわかったなら
10:少し先の未来がつなぐもの
・緩和ケア病棟にて
11:欲望を換金する――新城拓也に会う
・二極化する中での個人責任論
・鎮静についての考え方と予防的鎮静
・ノックされたら開けてしまう
12:一〇日間の涙
・月曜日の憂鬱
・カンファレンスにて
・ラインを引く
・一〇日間

エピローグ
・釧路の海に

あとがき

 

◇西智弘(にし・ともひろ)
川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター、腫瘍内科/緩和ケア内科医長。一般社団法人プラスケア代表理事。2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、2007年から川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。また一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」「社会的処方研究所」の運営を中心に、地域での活動に取り組む。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『がんを抱えて、自分らしく生きたい――がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉(PHP研究所)』、編著に『社会的処方:孤立という病を地域のつながりで治す方法』(学芸出版社)などがある。
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