見捨てられる〈いのち〉を考える

――京都ALS嘱託殺人と人工呼吸器トリアージから

安藤泰至 島薗進 編著
川口有美子 大谷いづみ 児玉真美 著
四六判並製 264頁
定価:1,980円(本体1,800円)
978-4-7949-7280-4 C0036〔2021年10月27日発売予定〕


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生きるべきひと/死んでいいひと、
もう選別は始まっている――

2020年7月、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者に薬物を投与したとして、ふたりの医師が嘱託殺人の容疑で逮捕された。同じ年、コロナ禍で医療が逼迫するなか、人工呼吸器をどの患者に優先して使うべきかの議論が紛糾。医療がひとの生命を縮めうるという事実に、私たちは直面せざるを得なくなった。研究者として当事者として支援者として、死生学や生命倫理に長らく携わってきた著者たちが緊急セミナーで結集。安楽死・尊厳死、そして優生思想をめぐり、先走っていく世論に警鐘を鳴らす。

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【目次】

まえがき――安藤泰至

第1部 京都ALS嘱託殺人と人工呼吸器トリアージ
◆「安楽死」「尊厳死」の危うさ――安藤泰至
◆ALS 患者の「死ぬ権利」?――川口有美子
◆医療が死を早めてよいのか?――島薗進

第2部 「安楽死」「尊厳死」言説といのちの学び
◆殺される/殺すのはだれか?――安藤泰至
◆<間>の生を聴く/<間>の生を語る――大谷いづみ
◆いのちの選別をめぐって何が起きていたのか?――島薗進
◆ディスカッション

第3部 「死」へと追い詰められる当事者たち
◆生命倫理問題における「当事者」の再考――いのちを守るとはどういうことか――安藤泰至
◆家族に「殺させる」社会を生きる――「大きな絵」のなかで「小さな物語」に耳を澄ます―児玉真美
◆医療資源について語るとき考えなければならないこと――島薗進
◆ディスカッション

あとがき――島薗進

 

◇安藤泰至(あんどう・やすのり)
鳥取大学医学部准教授(生命倫理)、日本学術会議連携会員。著書に『安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと』(岩波書店)、『「いのちの思想」を掘り起こす』(編著・岩波書店)など。
◇島薗進(しまぞの・すすむ)
上智大学グリーフケア研究所所長、東京大学名誉教授(宗教学・死生学)。著書に『いのちを“つくって”もいいですか』(NHK出版)、
『悪夢の医療史』(共編著・勁草書房)など。
◇川口有美子(かわぐち・ゆみこ)
NPO法人ALS/MND サポートセンターさくら会副理事長。著書に『逝かない身体』(医学書院、第41 回大宅壮一ノンフィクション賞)、『末期を超えて』(青土社)など。
◇大谷いづみ(おおたに・いづみ)
立命館大学産業社会学部教授(生命倫理学・生命倫理教育)、同大学生存学研究所副所長。『はじめて出会う生命倫理』(編著・有斐閣)、『ケアという思想(ケア その思想と実践 1)』(共著・岩波書店)など。
◇児玉真美(こだま・まみ)
フリーライター、一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事。著書に『殺す親 殺させられる親』(生活書院)、『私たちはふつうに老いることができない』(大月書店)など。