男と女とチェーンソー

――現代ホラー映画におけるジェンダー

キャロル・J・クローヴァー 著 小島朋美 訳
四六判並製 492頁
定価:3,300円(本体3,000円)
978-4-7949-8039-7 C0074〔2026年2月4日発売予定〕


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〈ファイナル・ガール〉が
ジェンダーの神話を暴く

なぜ女は逃げ、叫び、そして生き残るのか? なぜ男は女を追い、殺し、そして見つめるのか? 『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』『13日の金曜日』など、ホラー映画史を代表する作品群を通して、現代社会における性と権力の神話と構造を照らし出す。ホラー研究、フェミニズム批評、さらにはファン文化にも大きな影響を与えた記念碑的著作。<ブックデザイン:小川純、装画:學>

「本書の目的は、ホラー映画の観客そのものについての研究ではないし、ホラー映画というジャンルそのものについての考察でもない。本書が探求するのは、「観客の多数派」(若い男性)と、特定のホラー映画において際立つ女性のヴィクティム゠ヒーローとの関係である。この組み合わせは、映画観賞という行為そのものについて、そして表象のポリティクス、転移のポリティクス、さらには批評と理論のポリティクスに関しても、多くの示唆を与えてくれるものだと私は考えている」(本書より)

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【目次】

プリンストン・クラシックス版への序文

謝辞

序論──キャリーと男の子たち

第一章──彼女の身体、彼自身

第二章──開く

第三章──仕返し

第四章──ホラーの目

原著あとがき

訳者あとがき

付録 ホラー映画年輪型図解

作品一覧

参考文献

索引

 

◇キャロル・J・クローヴァー(Carol J. Clover)
カリフォルニア大学バークレー校名誉教授。中世北欧文学と映画史・映画理論を専門とし、とりわけホラー映画におけるジェンダー表象の研究で知られる。本書で提起された〈ファイナル・ガール〉概念は、ホラー研究/フェミニズム批評のみならずファン文化にも大きな影響を与えた。2018年には初期アイスランド文化研究への貢献によりアイスランド共和国からファルコン勲章ナイト十字章を、2020年にはホラー研究への長年の貢献に対してブラム・ストーカー賞生涯功労賞を授与されている。
◇小島朋美(こじま・ともみ)
翻訳者、編集者。早稲田大学法学部卒。映画パンフレット文化の紹介と保存を目的とした自主団体「映画パンフは宇宙だ!」でZINE制作や企画を手がけるかたわら、海外ホラー映画の宣伝やインタビュー翻訳、パンフレット編集などにも携わる。本書の翻訳には、ホラー映画に人生を救われてきた者としての敬意と偏愛を込めて取り組んだ。