――ポスト現象学とテクノサイエンス
ドン・アイディ 著 稲垣諭・増田隼人・沖原花音 訳
四六判並製 236頁
定価:2,090円(本体1900円)
978-4-7949-7470-9 C0095〔2025年4月〕
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テクノロジーの起源は
人間よりも古い
注目高まる技術哲学の分野における、最良の入門書が待望の邦訳。技術哲学の開拓者たるドン博士が生前に行った北京大学での講義+国内の専門家による概論で本領域全体の俯瞰が可能になる。
技術が組み込まれた人間の体験は時代に応じてどのように変化するのか。西洋中心主義的な歴史観を批判しつつ、技術の起源の多元性に遡る。
本書は、アメリカの科学技術哲学者であり、現象学やプラグマティズムの造詣も深いドン・アイディによる技術哲学の入門書。アイディは、ハイデガーやベンヤミンといった現代社会における技術批判の哲学者を第一世代とするならば、彼らを乗り越えようとした第二世代の技術哲学者の筆頭となる。本書の原書(英語)は、全体で80ページほどの短いもので、かつ、北京大学の大学生に向けて行われた講義を基にしており、彼の哲学への入門的な案内書ともなっている。
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【目次】
第1章 ポスト現象学とは何か?
・第一ステップ:プラグマティズムと現象学
・第二ステップ:現象学とプラグマティズム
・第三ステップ:「経験的転回」
・ポスト現象学とは何か?
第2章 テクノサイエンスとポスト現象学
・現象学と技術哲学
・現象学とアハターハイスのリスト
・テクノロジーからテクノサイエンスへ
・テクノロジーの現代哲学
第3章 見えないものの可視化:イメージング・テクノロジー/画像化技術
・経験的転回
・歴史的な変項/ヴァリエーション
・第二の革命
・ポスト現象学、ふたたび
第4章:事物は語るか?:物質の解釈学
・視覚的解釈学
・物質的解釈学
・エッツィ、あるいはアイスマン
・物質的媒介
・聞こえないものに声を与える
1934年1月14日生–2024年1月17日没。アメリカの技術哲学者であり、ポスト現象学者の提唱者。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で43年間教鞭を執る。著書『Technics and Praxis』(1979年)は、北米における技術哲学の最初の主要な作品とされる。主な著作に『Listening and Voice: Phenomenologies of Sound』(1976年)、『Technology and the Lifeworld』(1990年)など多数。
青山学院大学公法学科卒、東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。文学博士。自治医科大学総合教育部門(哲学)教授を経て、現在、東洋大学文学部哲学科教授。専門は現象学、環境哲学、リハビリテーションの科学哲学。著書に『衝動の現象学』(知泉書館)、『壊れながら立ち上がり続ける――個の変容の哲学』(青土社)、『絶滅へようこそ 「終わり」からはじめる哲学入門』(晶文社)、『「くぐり抜け」の哲学』(講談社)など多数。
2020年に東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程を修了(文学博士)。東洋大学および富士リハビリテーション大学校非常勤講師。専門は現象学、習慣論。直近の論文に「他者としての技術-ドン・アイディにおける人間と技術の関係」(『実存思想論集 第40号』所収、知泉書館、2025年刊行予定)、翻訳にG・シュテンガー著「ヨーロッパの現象学に対する挑戦としての「自覚」とは」(『現象学 未来からの光芒』所収、河本英夫編、学芸みらい社、2021年)など。
現在、東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程在籍中。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)次世代研究者挑戦的研究プログラム研究学生。専門は現象学。直近の論文に「フッサールにおける注意の現象学(1)(2)」(東洋大学大学院紀要59、60)。