吉本隆明全集1[1941‐1948]

吉本隆明著
A5判変型・上製 572頁
定価:6,930円(本体6,300円)
978‐4‐7949‐7101‐2 C0395〔2016年6月〕


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著者の原型はすべてここにある

少年期のわずかにのこされた詩作やエッセイから、米沢での学生生活のさなかに傾倒の深まった宮沢賢治についてのノートをへて、敗戦直後の詩篇、古典論、姉の追悼文まで。壮大な思想の出発点を為す、戦前の府立化学工業学校時代、米沢工業学校時代、および敗戦直後の詩や散文を収録する。
『和楽路』創刊号に掲載された詩三篇「桜草」「後悔」「生きている」、長編詩「(海の風に)」の初期形「(海はかはらぬ色で)」を初収録。
第10回配本。

月報は、石川九楊氏・ハルノ宵子氏が執筆。

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【目次】


桜草
後悔
生きてゐる
「哲」の歌
くものいと
うら盆

随想
相対性原理漫談(二)
孔丘と老耼


「呼子と北風」詩稿〈北風/呼子/岡本かの子へ(りんね)/フランス語回顧/山の挿話/悲観/ワタシノ歌/悲哀のこもれる日に/とむらふの歌/花/アツツ島に散つた人達に/轟く山/旅/詩〉
消息
巻頭言
無方針
朝貌
郷愁
山の挿話
草莽〈序詞/謹悼義靖院衝天武列居士/原子番号0番/原子番号一番/原子番号二番/原子番号三番/機械/秋の花/かぶと山と虚妄列車/銀河と東北/撩乱と春/無神論/続呼子/親鸞和讃/背乗/雲と風と鳶/明暗/草ふかき祈り/帰命〉
序詞
哀しき人々
雲と花との告別


宮沢賢治ノート(Ⅰ)〈詩碑を訪れて/イギリス海岸の歌/雲の信号/「宮沢賢治と女性」雑考/セロ弾きのゴーシユ/やまなし/ざしき童子のはなし/よだかの星/雁の童子/風の又三郎/農民芸術概論綱要評/[科学者の道]〉
宮沢賢治序叙草稿第四〈「孤独と風童」ほか/宮沢賢治童話論/四 地人時代後期〉
宮沢賢治序叙草稿第五〈続四雑録〉
宮沢賢治ノート(Ⅱ)〈宮沢賢治の倫理について/宮沢賢治の系譜について/異常感覚感の由来について/宮沢詩学の解析について/深淵の思ひ/或る孤高の生涯/創造と宿命/孤独と神秘とユーモア/再び宮沢賢治の系譜について/宮沢賢治の散文について/[さびしけれど]/無門関研究〉


[しんしんと]
詩稿Ⅳ〈大樹/老工夫/旅唱/童子像/童子像(Traite de la porte etroite)/夜番/麦熟期/夜番/夜番/夜番/永訣(岡田昇君の霊に)/赤い合羽/降誕/夜番/夜番/幼年/劇場/黄樹/レモン/恋譜連抄/風/走れわが馬/旅/虚空〉
英文日記帳詩稿〈かなしきいこひに/またのいこひに/晩秋/哀歌/秋/卑心/河原/夢/苦行/寂しき日に/高地/吹く風の秋のごとくに/石碑/人間/告別/氷雨幻想/風雅/在家/宗祖/ぼんやりと/黄昏に/(海はかはらぬ色で)/白日の旅から/暁雲から〉
(にぶい陽の耀きが洩れて)


異神
詩三章〈老白/観花/哀辞〉
『時禱』詩篇〈習作四(宝塔)/習作五(風笛)――宗教的なる現実――/習作七(我莩地域)/習作九(挽歌)――喪はれたるわがギリシヤのために――/習作十四(所惑)/習作十五(夕日と夕雲の詩)/習作廿四(米沢市)/童子像――無門関私釈――/習作四十三(愛歓)/習作五十(河原)/習作五十一(松川幻想)〉
『時禱』創刊の辞・後記
巡礼歌


伊勢物語論Ⅰ
伊勢物語論Ⅱ
歎異鈔に就いて
『季節』創刊の辞・後記
姉の死など

解題〈間宮幹彦〉

 

◇吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

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