老後と介護を劇的に変える食事術

――食べてしゃべって、肺炎、虚弱フレイル、認知症を防ぐ

川口美喜子 著
四六判並製 248頁
定価:1,760円(本体1,600円)
978-4-7949-6985-9 C0095 〔2018年1月〕


アマゾンで購入する
楽天ブックスで購入する
セブンネットで購入する

 

PPKピンピンコロリかNNKネンネンコロリか。
分岐点は「食べ方」にあった!

低栄養、フレイル(虚弱状態)、サルコペニア(全身の筋力低下)、摂食嚥下障がい、認知症……高齢者の隣には健康を脅かす落とし穴がたくさんあります。でも素早いケアとなによりも「食べること」を疎かにしなければ、健康と自分の暮らしを守ることができます。そして、「食べる」だけではなくて、「しゃべる」ことも大切です。気持ちを伝える、人との関係を続ける……。つまりは「食べる」と「しゃべる」をつかさどる、私たちの「口」を守ることが、健康寿命を生き抜く杖です。ピンピンコロリが理想なら、あなたの「食べる」と「しゃべる」を見直しましょう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【目次】

はじめに

 

1 普段の生活の中で始まる「食べられない」を知っておく

「食べられない」ってどういうこと?
「食べているつもり」なのに「食べていない」
「摂食嚥下障がい」を怖がらない
オーラルフレイルにならない
持病の影響で起こる「食べられない」
お金がなくて「食べられない」

2 「食べられない」が招くリスク

高齢者に栄養が足りない
「低栄養」が増えている
低栄養とフレイル
健康をチェックしてみましょう
過栄養も大きなリスク
筋肉痩せと悪循環
床ずれについて知っておく

3 「食べる」を弱らせない食べ方・暮らし方

高齢期の理想的な食事とは?
食べられなくなってきたら
食べやすい環境とは?
孤食をしない
食べる機能低下、予防のためのセルフケア

4 身近にある「食支援」――「食べる」を支えるプロのケア

プロのケアが必要なとき
「食べる口づくり」とその先のケア
食べられないだけか、確かめる
管理栄養士をつかまえよう
食支援のアンテナを張る
入院中に起こる「食べられない」
入院中に受ける食のケア
胃ろうや経鼻栄養を勧められたら?
最期の「食べられない」は自然なこと

5 「食べる」とあわせて守りたい「しゃべる」生活

「しゃべる」は生きること
老いの苦しみ
喪失に寄り添う
社会的フレイルと精神的フレイル
フレイル・ドミノを防ぐ
親切や善意が封じる「しゃべる口」
人が生きる力
防ぎようのないことと、防げること

6 「食べる」「しゃべる」から考える認知症

支えられる人にも支える力はある
認知機能が低下すると食生活は変わるか
認知症がある人の食事のケア
認知症予防におしゃべりは効くか

コラム

健啖家は長生き
おまえは「食べる口」
最後の晩餐
新宿「暮らしの保健室」の給食会
憎まれっ子の苦肉の策
味噌汁の治療効果
きっかけ食
『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』のこと
「孤独」を遠ざける
病気を告知されたら
マギーズ東京、スープの日

おわりに

 

◇川口美喜子(かわぐち・みきこ)
大妻女子大学家政学部教授、管理栄養士、医学博士。専門は病態栄養学、がん病態栄養並びにスポーツ栄養。島根大学医学部附属病院で、栄養管理室長を務め、NST(栄養サポートチーム)を立ち上げるなど、病院の中で食事を通して、治療に積極的に参加してきた。現在は、大学で後進を育てながら、地域医療のパイオニアの1人、秋山正子氏が主宰する「暮らしの保健室」(東京・新宿区)などにて、在宅栄養指導、給食での栄養ケアも行なっている。問題を抱える多くの人のために、その卓越した栄養学の知識を具体的な食事に落とし込んで支援している。著書に『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』(医学書院)など。
関連書籍