感染列島強靭化論

――パンデミック下での大災害に備える公衆衛生戦略

藤井聡 高野裕久 著
四六判並製 248頁
定価:1,760円(本体1,600円)
978-4-7949-7244-6 C0036〔2020年12月〕


アマゾンで購入する
楽天ブックスで購入する
セブンネットで購入する

 

「感染列島に大災害」は十中八九起こる!
二人の専門家が唱える、
衛生の観点からの国土強靭化計画

毎年のように日本を襲う大雨・台風による水害、あるいは30年内に起きる可能性が高いと言われる南海トラフ地震や首都直下地震などの自然災害と、感染症の大流行が重なれば、国土に甚大な被害がもたらされることになる。
元・内閣官房参与で「国土強靭化基本計画」策定に尽力した公共政策の専門家と、環境医学の専門家の二人が、医療システム、経済・社会システム、国土システムといった公衆免疫に関わる様々な環境的要因を強靱化していくことで、感染症と自然災害の複合災害による被害の最小化を目指す緊急提言書。さらにこうした諸対策を推進するために不可欠な財源について、MMT理論を背景にした「積極財政論」も展開。複合災害の被害を最小限に留めるために、全国民必読の一冊。

「筆者らが今、最も恐れているのはインフルエンザと新型コロナのダブル感染症拡大の問題ではない。感染が蔓延している状況下で、巨大災害が生じてしまうことだ。(…)コロナ禍中にこうした「国難級の大災害」が生ずる確率は(…)「十中八、九」という水準に至ると考えても決して大げさではないだろう。つまり、「災害列島」に住む我々日本人は、「感染列島を大災害が襲う」という事態を決して大げさでも何でもなく、当たり前に生じうる事態の一つだと冷静に認識することが求められているのである。」(本文より)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【目次】

第一章 「感染列島に大災害」は十中八九起こる
第二章 「自粛」でなく「ファクターX」が日本を守った
第三章 人体の「免疫システム」を強靱化する
第四章 「医療システム」を強靱化する
第五章 「感染症対策」を強靱化する──「社会免疫」の理論
第六章 「感染症対策」を強靱化する──三つの強靱化戦略
第七章 「国土システム」を強靱化する
第八章 「財政思想」を強靱化する──衛生列島強靱化論とMMT

 

◇藤井聡(ふじい・さとし)
1968年生まれ。京都大学大学院工学研究科教授(都市社会工学専攻)。京都大学工学部卒、同大学院修了後、同大学助教授、イエテボリ大学心理学科研究員、東京工業大学助教授、教授等を経て、2009年より現職。また、11年より京都大学レジリエンス実践ユニット長、12年より18年まで安倍内閣・内閣官房参与(防災減災ニューディール担当)、18年よりカールスタッド大学客員教授、ならびに『表現者クライテリオン』編集長。文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。専門は公共政策論。著書に『MMTによる令和「新」経済論』『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(共に晶文社)、『社会的ジレンマの処方箋』(ナカニシヤ出版)、『大衆社会の処方箋』『国土学』(共に北樹出版)、『令和日本・再生計画』(小学館新書)など多数。
◇高野裕久(たかの・ひろひさ)
1958年生まれ。京都大学大学院 地球環境学堂 環境健康科学論分野 工学研究科 環境衛生学講座教授。博士(医学)。京都府立医科大学卒業。大学病院、市中病院において内科臨床に従事。国立環境研究所主任研究員、総合研究官、環境健康研究領域長、及び、筑波大学連携大学院教授を歴任後、京都大学大学院教授。現在は京都大学地球環境学堂地球益学廊長も務める。専門は環境医学、内科学、免疫・アレルギー学。日本衛生学会、日本臨床環境医学会等の理事を歴任。遠山陳吉記念 第7回食と環境の科学賞受賞。著書に『環境と健康』(共著、岩波書店)など。
関連書籍