ことばと呪力

――ヴェーダ神話を解く

〈神話叢書〉
川村悠人 著
四六判並製 288頁
定価:2,530円(本体2,300円)
978-4-7949-7314-6 C0095〔2022年5月〕


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ことばは、世界を創造するとともに、
神をも滅ぼす

ことばの本来の力が発揮される「呪文」とは何か。
なぜ「真の名前」は秘されるのか。
古代インドのヴェーダ文献・神話を中心に、
ことばの持つ無限の力を探究する。
呪文・呪術の源泉に迫る、シリーズ神話叢書、第2弾!

呪文を唱えて火を操り、敵の部族や悪魔を倒す話。
呪術師たちを引き連れて呪文を唱えることで、神が洞窟の壁を打ち砕く話。
名前をくれ、名前をくれと懇願してくる神の話。
ことばを間違えて取り返しのつかない失敗をした魔神の話。

世界を理解するための知識が集積された「ヴェーダ文献」。神々への賛歌を集めた『リグ・ヴェーダ』とヴェーダ祭儀書文献における「ことばと呪力」にまつわる物語を読み解く。

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【目次】

序章 ことばの呪術と古代インドの言語文化

1:呪術について 2:高められたことば 3:古代インドの言語文化

第1章 ヴェーダ神話集その一――内容通りの事柄を引き起こすことば

1:導入 2:部族長ヴァーマデーヴァの火の呪文
3:首席祭官ヴリシャ・ジャーナの悪魔祓いの歌
4:首席祭官ウシャナス・カーヴィヤと戦神インドラの二重奏

第2章 ヴェーダ神話集その二――打ちのめし破壊することば

1:導入 2:戦神インドラの魔女殺しの歌
3:戦神インドラの歌と呪術師たちの合唱
4:魔神アスラたちの失言

第3章 ヴェーダ神話集その三――運命を引きよせる名前

1:導入 2:火神アグニの名づけ要求
3:造形神トヴァシュトリの発音間違い
4:国王ダルバの改名儀礼

終章 ことばと共に生きるということ

 

◇川村悠人(かわむら・ゆうと)
1986年生まれ。広島大学人間社会科学研究科准教授。2014年、広島大学 大学院文学研究科博士課程後期修了。専門は古代中世インドにおける言語と 思想の研究。著書に『バッティの美文詩研究─サンスクリット宮廷文学とパーニニ文法学』 (法藏館、2017年)、『神の名の語源学』(溪水社、2021年)、The Kāraka Theory Embodied in the Rāma Story: A Sanskrit Textbook in Medieval India, foreword by George Cardona, D.K.Printworld, 2018がある。
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