フェミニスト、ゲームやってる

近藤銀河 著
四六判並製 320頁
定価:1,980円(本体1,800円)
978-4-7949-7420-4 C0095〔2024年5月28日発売予定〕


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ようこそ、私たちのパーティーへ。

ゲームをつくり、プレイし、プレイし損なう。そのすべてがフェミニズムの実践たりうると教えてくれる。
──三木那由他(哲学者)

「ゲームはフェミニズム的にもホットなメディアになっている」。フェミニストで歴史研究者、パンセクシュアルで車いすユーザーの書き手が、フェミニズム・クィアの視点でビデオゲームを読み解く画期的なエッセイ!

「トラウマを語ったり、現実の世界の問題を考えたり、そうした行為を少しだけ遠く、少しだけコントロールできる状態でやっていく。ゲームのそんな機能に私は助けられてきた。そこでは自分にとってつらい問題を、距離をとりつつ思考することができる。この本も、誰かにとってそんな役割を持つことができたら、そしてそんなゲームを、フェミニズムを広めることができたら、そんなふうに考えながら今、書いている」(「おわりに」より)

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【目次】

はじめに なぜフェミニスト、ゲームやってる

Ⅰ あの有名なゲーム

#01 かくして私は収奪と救出に失敗する
──「ピクミン4」、やってみた
#02 多様なキャラクターのシューターゲーム
──「スプラトゥーン3」「オーバーウォッチ」「エーペックスレジェンズ」、やってみた
#03 大作ゲームの女性表象とクィア表象の歪みと良さを体感する
──「アサシン クリード オデッセイ」、やってみた
【コラム】語られるレイシズム・語られないセクシズム

Ⅱ  クィアが活躍するゲーム

#04 クィアがオプションじゃない恋愛ゲーム!
──「ボーイフレンド・ダンジョン Boyfriend Dungeon」、やってみた
#05 ゲームの難しさがマイクロアグレッションを表現する?
──「セフォニー Sephonie」、やってみた
#06 選べない環境と自分自身のはざまで
──「ラスト・オブ・アス パート2」、やってみた
【コラム】ボーイズクラブとしてのゲームコミュニティ

Ⅲ マイノリティの日常を感じるゲーム

#07 トランスジェンダーの日常と過去の解釈を描く
──「テル・ミー・ホワイ Tell me Why」、やってみた
#08 バイセクシュアルの表象とモノの方を向くお引っ越しゲーム
──「アンパッキング」、やってみた
#09 トランスジェンダー男性同士の交流
──「ペイトンの術後訪問記 Peyton’s Post-Op Visits」、やってみた
#10 ノンバイナリーの学生たちの卒業前夜
──「ノーロンガーホーム No Longer Home」、やってみた
【コラム】ゲームと能力主義

Ⅳ 80-90年代を描くゲーム

#11 90年代のZineとレズビアンの反抗物語
──「ゴーンホーム Gone Home」、やってみた
#12 クィアなミドルエイジ女性の過去・現在・未来
──「レイク Lake」、やってみた
#13 トランスジェンダー女性記録を消しながら記憶をたどる
──「イフ・ファウンド… If Found…」、やってみた
【コラム】ゲームと障がい

Ⅴ 歴史を想像するゲーム

#14 台湾の戦後と恐怖を再訪するホラーゲーム
──「返校-Detention-」、やってみた
#15 哀悼と歴史の可能性を考える
──「シベリア:ザ・ワールド・ビフォー Syberia: The World Before」、やってみた
#16 男らしさに呪われる運動家たちの殺人事件
──「ディスコ エリジウム Disco Elysium」、やってみた
#17 社会運動の理想と抵抗のあいだに
──「スパイダーマン:マイルズ・モラレス」、やってみた
【コラム】オープンワールドと都市の遊歩者の課題

Ⅵ ファンタジー世界を旅するゲーム

#18 ヘイターと戦うレズビアンでトランスなロードムービー
──「ゲット・イン・ザ・カー、ルーザー Get In The Car, Loser! 」、やってみた
#19 過去と未来を作り変えられる魔女になってどうする?
──「コズミックホイール・ホイール・シスターフッド The Cosmic Wheel Sisterhood」、やってみた
#20 かつて私は、あのゲームの余白にフェミニズムやクィアを投影していた
──「MOTHER2」「ドラゴンクエストⅥ」「ファイナルファンタジーⅥ」、やってみた
【コラム】フェミニストのためのゲーム作りガイド

おわりに フェミニストたち、ゲームやっていく

参考文献
さらにゲームを知るための文献リスト
フェミニストのためのゲームリスト

 

◇近藤銀河(こんどう・ぎんが)
1992年生まれ。アーティスト、美術史家、パンセクシュアル。中学の頃にCFS/MEという病気を発症、以降車いすで生活。2023年から東京芸術大学・先端芸術表現科博士課程在籍。主に「女性同性愛と美術の関係」のテーマを研究し、ゲームエンジンやCGを用いた作品を発表する。ついたあだ名が「車いすの上の哲学者」。ライターとしても精力的に活動し、雑誌では『現代思想』『SFマガジン』『エトセトラ』、書籍では『われらはすでに共にある──反トランス差別ブックレット』『インディ・ゲーム新世紀ディープ・ガイド──ゲームの沼』など寄稿多数。本書が初の単著。