――死にたい私でも恋愛・結婚で生き延びる方法
鈴木大介 石田月美 著 漫画:Tokin
四六判並製 232頁
定価:1,980円(本体1,800円)
978-4-7949-7479-2 C0095 〔2025年7月25日発売予定〕
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炎上覚悟であえて言う。
恋愛・結婚は、
障害や生きづらさを抱える女性の
セーフティーネットである
発達障害当事者を妻に持つ鈴木大介と、生きづらさを抱える石田月美が、「障害とパートナーシップ」を、とことん突き詰め、導き出した答え。
過酷な虐待のサバイバーや、障害や生きづらさを抱える当事者にとって「パートナーシップ形成」はセーフティネットになるのか? 発達障害当事者の妻を持ち、脳梗塞の後遺症の高次脳機能障害を抱える鈴木大介。発達特性があり暴力被害と路上の放浪生活経験と依存症を併せ持ち、パートナーシップ形成=婚活に活路を見出した石田月美。障害当事者とそのパートナーのより良い関係を模索し、忌憚なく対話を重ねたふたりがたどり着いた答えとは?
好きで一緒になったのに、どうして上手く行かないんだろう? 好きで一緒になったから、より良い関係を築きたい! そんなふたりに関係改善のヒントを与えてくれる一冊。
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【目次】
はじめに 鈴木大介
■1章 恋愛だけが私の生き延びる術なのに
あえて炎上覚悟で言わせてほしい。パートナーシップ形成はさまざまな障害を抱える人、社会的困窮状況にある人たちにとって重要なセーフティネットである、と
出産や結婚は、当事者女性が制度と強制的に再接続するライフイベント
みんなが恋愛や結婚できる社会になればいい、なんてまったく思ってない
「寂しさ」の正体
最も健全な「寂しさ」の止血方法は「パートナーシップ形成」
本当に「共依存は悪いもの」?
column 恋バナを聞かせてもらえない支援者は「支持者失格」 月美
column 恋愛セーフティネット論の「議論の設定そのもののズレ」 大介
■2章 僕が面倒見ないと死んじゃいそうなのに
メンヘラ女子以外と恋愛したことがない理由
「プチ当事者の庇護欲君」の加害性
生まれつき見えない障害をもつ=死んじゃいそうなのに気づいてもらえない
「庇護欲型のプチクソ男」と「ガチクソ男」の見極め方
当事者女性にとっての「モテ」とは存在承認・存在理由そのもの
column 僕が石田月美を「月美先輩」と呼ぶ理由 大介
■3章 僕だけに頼ってほしいのに
まずはフラッシュバック対策を
「庇護欲」と「支配性」はまったく同じベクトルの上にある
定型基準の「ちゃんとしてる」に追いつけなくて「私=駄目」になっちゃう
column 私たちの自罰感情・自責化 月美
「今は困難な状態にあるまともな人」扱いして、動き出す力を貯めるまで待っててほしい
「庇護欲君=悋気君」であることを知ってほしい
column 庇護欲君をコントロールしたくない 月美
column 庇護欲君の選別問題 大介
column 暴力は否定するが本人は尊重する 月美
column パートナーシップ解散の可能性 大介
■4章 面倒な私に巻きこまれてほしいのに
相手を困らせる攻撃的な言動・関係性を自ら断つような破壊的な行動の背景真理
column 被害者は暴力を「愛の鞭」と錯覚してしまう 月美
column 被害と加害を二項対立で考えないでほしい 月美
column 定型サイドは加害を加害と認識しているか? 大介
column 感覚を遮断して生きてきているということ 月美
怒って攻撃することで、自分のパワーを確認している感じ
理解度診断・巻き込まれ度判断に感じる攻撃性
coiumn 当事者女性が生育期の差別や排除だけでなく、物理的な暴力の被害者であることも多い理由 月美
当事者女性が加害をする時期はどうしてもある。いずれ抜けるから待ってほしい
column チームで巻き込まれる 月美
culumn 「加害」ではなく「自己防衛」のケースも 大介
■5章 大事なことは一緒に決めたいのに
圧倒的な「片付けられない力」
定型パートナーに家事のやり直しをされると、存在を全否定されたように感じる
「足並みがそろわない」ことがストレス
見えてるけどつながらない
その時やるべきじゃない作業をしてしまうのは、注意障害の症状
障害特性ゆえ「やむを得ず働けない」→「権利がない即ち主体性もない」?
いまのことは私たち、将来のことはあなたたちで
日本の定型発達は、生産性優先の社会の要員になるための発達
不貞腐れてるんじゃなくて、不適切な暴発をしないように耐えてる
とにかくこの場を平穏にやり過ごしたい。不機嫌になってほしくない
合意形成は「遠めのところ」から話し合う
「こんなにダメダメな私を出せる、そんなあなたでいてくれてありがとう」って言ってくれたら最高に嬉しい
■月美と大介の往復書簡 ふたりの「お金問題」
おわりに 石田月美
ルポライターかつ高次脳機能障害当事者として『最貧困女子』(幻冬舎・新書大賞2015第5位)『ネット右翼になった父』(講談社現代新書・同2024第5位)『脳コワさん支援ガイド』(医学書院・日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞)など著書多数。発達特性をもつ妻とのパートナーシップを描いた作品に『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(晶文社)がある。
物書き。1983年生まれ、東京育ち。高校を中退して家出少女として暮らし、高卒認定資格を得て大学に入学するも、中退。2020年、自身の婚活経験とhow toを綴った『ウツ婚!!――死にたい私が生き延びるための婚活』(晶文社)で文筆デビュー。本書は2023年に漫画化(講談社)。様々な精神疾患を抱えたまま、婚活し結婚、不妊治療を経て2児の母。エッセイを中心に寄稿記事多数。2024年、『まだ、うまく眠れない』(文藝春秋)を刊行。
漫画家、イラストレーター。1983年生まれ。10代から心身に不調を抱えつつ七転八倒。精神科通院開始から10年ほどで解離性同一性障害・双極性障害と診断される。長期入院をきっかけに自身の障害を漫画に描き始め、のちに初の単行本『実録・解離性障害のちぐはぐな日々─私の中のたくさんのワタシ』(合同出版)を出版。多くのメディアで紹介される。エッセイ漫画執筆などを経て2025年『コミックルポ・解離性障害、なんです。』(合同出版)を刊行。自身の経験に加え、多くの解離性障害当事者の声を描く。