──誰もが生きやすい社会のコミュニケーション
引地 達也 著
四六判並製 246頁
定価:2,200円(本体2,000円)
978-4-7949-8013-7 C0036 〔2025年9月2日発売予定〕
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メディアに〈ケア〉が宿るとき
情報の氾濫と人々の分断によって混迷の度を深める現代社会。ケアを中心に据えたメディア=〈ケアメディア〉の活動が新たな希望となる。新聞、テレビからSNSまで、今後のコミュニケーションのあるべき姿を、歴史・理論・実践の三側面から提示する。
“「本書は「ケアメディア」という新たな概念を提唱する。これはケアを中心に据えたメディアのあり方を指す私の造語である。このケアメディアを概念化し、それに続く実践化への道筋を示すことが本書の課題である。それを通じて、ケアとメディアの結びつきがもつ豊かな可能性を明らかにしたい。ケアメディアの概念と実践をリンクさせ、その両輪を社会に位置づけることで、誰もが生きやすい社会の実現に貢献できるのではないかと考えている」(本書より)
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【目次】
はじめに
■第1章 わたしたちには愛も科学も必要だ──テイヤール・ド・シャルダンと宮沢賢治
■第2章 ケアメディアとはなにか──精神疾患と事件の報道をめぐって
■第3章 メディアとケアの接点、その源流──明六社と万朝報
■第4章 精神疾患の伝わり方・伝え方──統合失調症の表記をめぐって
■第5章 ケア概念の日韓比較──キリスト教的価値観と両者の相違
■第6章 情報弱者をつくらない──新しいメディアリテラシー教育のために
■第7章 ケアメディアの未来へ──障害者権利条約と「インクルーシブ」への対応
おわりに
参考文献・論文および資料
1971年仙台市生まれ。フェリス女学院大学准教授/みんなの大学校学長。上智大学大学院博士後期課程修了。博士(新聞学)。文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般社団法人みんなの大学校代表理事、ケアメディアラボ共同代表。著書に『ケアメディア論──孤立化した時代を「つなぐ」志向』(ラグーナ出版、2020年)、編著に『それでも一緒に歩いていく──牧之原やまばと学園50年の歩み』(ラグーナ出版、2021年)、『障がいのある人びとの学びをどのようにデザインするか』(海老田大五朗編、学文社、2025年)など。毎日新聞記者、共同通信記者を経てコミュニケーションに関するコンサルタントとして、大手金融機関などでコミュニケーション向上のプロジェクトを行なう。東日本大震災発生直後から社会活動中心の仕事に転換し、福祉事業所向けの教材開発や障がい者を対象とした就労移行支援事業所や就労継続支援B型事業所を運営。2020年に誰でもどこでもオンラインで「学び」ができる「みんなの大学校」を開校した。全国で障がい者の就労支援や学びの支援、重度障がい者支援等、対応事例は多岐にわたる。