上野千鶴子 森田さち 著
四六判並製 240頁
定価:1,870円(本体1,700円)
978-4-7949-8026-7 C0095 〔2025年11月12日発売予定〕
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命がけでキレた日から、
夫の態度が変わりました
フェミニズムの第一人者と主婦のリアルが正面からぶつかる前代未聞の対話
家事、育児、夫との関係、ママ友社会--誰もが通り過ぎる日常の葛藤を、フェミニズムの視点で「当事者研究」してみたら、まったく違う風景が見えてきた!
社会学者にして日本を代表するフェミニスト・上野千鶴子と、三人の子を育てる普通の主婦・森田さち。主婦が自らの人生を振り返り「なぜ私はいつも生きづらかったのか?」と問い、社会学者がそれに応答する。
幼少の頃から抱えてきた希死念慮、家庭のなかで感じた疎外感、学生時代の妊娠中絶、そのすえに得たパートナーによるモラハラ、ワンオペ育児の困難……。主婦も、働く女性も男性も「自分の問題だ」と気づかずにはいられない。笑って、泣いて、そして勇気がわいてくる、新しいフェミニズム入門にして、誰もが自分の生を問い直す一冊。
“この本は、私の結婚生活を実際に変えてくれたフェミニズムを授けてくれた師である、上野さんに、私の当事者研究にお付き合いいただこうと考えて、実現したものです。フェミニズムの師である上野さんは、20年以上前に『当事者主権』(岩波新書)という本を障害当事者の中西正司さんと出されており、当事者研究のパイオニアでもあります。上野さんが切り拓いてくれていたから私の今がある。「死にたい」という言葉でしか表せなかった私の過去に、別の見方や言葉を与えてくれ、現実をも変えてくれた。(森田さち/まえがきより)”
“森田さんはこれを「主婦の私の当事者研究」と呼んでいます。そこにある意識は、「主婦」がすでに社会的マイノリティであること、後ろめたさ抜きには主婦である自分を肯定できないこと、でした。事実、彼女は、自分が「逃げるようにして」主婦になった、と、その選択を肯定的には語りません。当事者研究とは、しばしば社会的マイノリティのための研究でしたが、今や「主婦」であることは、マイノリティ研究の対象になったのか、と感慨を覚えました。(上野千鶴子/あとがきより)”
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【目次】
はじめに 森田さち
1章 母の期待を勝手に背負って死にたくなる
2章 夜の仕事で「男のくだらなさ」を学び、生きなおすために子どもを望んだ
3章 エリート夫に命がけでキレた日から、人生が少しずつ前向きになった
4章 交通事故に遭って気づいた「ひとりで子育てしなくていい」
5章 今を生きる女の子たちへ 一緒に闘おう
おわりに 上野千鶴子
1948年生まれ。社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書に『家父長制と資本制』『近代家族の成立と終焉』『生き延びるための思想』(以上、岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(法研/文春文庫)、『ケアの社会学』(太田出版)、『女の子はどう生きるか』(岩波書店)、『挑戦するフェミニズム』(江原由美子との共編著、有斐閣)、『当事者主権 増補新版』(中西正司との共著、岩波新書)、『アンチ・アンチエイジングの思想』(みすず書房)など多数。
1985年生まれ。慶應義塾大学在学中に夜職経験。卒業後、一般職を経て結婚し専業主婦に。3人の子を出産し子育てに専念した20代を経てライターになり、現在はYouTube運営やイベント企画、若者の居場所づくりなどを行う。若い頃から希死念慮を抱いていたこと、家庭における女性の困難を身をもって痛感したことなどからフェミニズムや当事者研究に出逢い、勉強中。ペンネームの「森田さち」には、先人のフェミニストへの感謝と敬意が込められており「森崎和江の森、田中美津の田、信田さよ子のさ、上野千鶴子のち」で構成されている。