THE LINE

――AIが〈ひと〉になるとき

ジェームズ・ボイル 著 山形浩生 森本正史 訳
四六判並製 546頁
定価:3,850円(本体3,500円)
978-4-7949-8069-4 C0095〔2026年9月14日発売予定〕


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〈人格〉の境界線を問う

AIや遺伝子改変生物は権利を持ちうるか?
情報法の泰斗がSF・法・哲学を横断して描く議論の見取り図。

これは人間か、機械か? 動物か、モノか?──生成AIが人間のものと見まがう言葉を紡ぎ、遺伝子工学が生物種の境界を越えはじめた現在、「誰を〈ひと〉として遇するのか?」という問いが、進化論以来前例のない切迫とともに立ち上がる。意識をもつと主張するAI、人間並みの知能をもつ遺伝子改変生物は、権利をもつ〈人格〉になりうるのか? 情報法の泰斗が、SF・法・哲学・道徳を横断し、かつて企業に「法人格」が与えられた歴史をたどりながら、錯綜する議論の見取り図を描き出す。AI時代の喫緊の課題を鮮やかに提示する必読書。

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【目次】

序論

HAL/Chimpy®/現実かSFか?

 

1 奴隷、人間もどき、そして人工羊

共感と擬人化/道徳的感情?/人間にフォークト゠カンプフ検査?/下準備:道徳ストロボスコープ

 

2 人工知能

バトラー派の挑戦/AIの傲慢と謙虚/人工知能? いつ?/すべてはハードウェア次第(?)/実現したとしても、それに意識はあるのか?/優越感?/人格の未来(あるいは複数の未来)/チャットボット時代のチューリング・テスト/操り人形、カスタム設計、そして「手に負えない」AI人格/まとめ

 

3 法人

法人とは何か?/法廷における企業/法人の陰謀、あるいは憲法上の合流?

 

4 人間以外の動物

心の質をめぐる議論/法的権利者論争/1 声なきものを代弁するのは誰か?/2 裁判所はこれらの問題に答えるために、どのような方法をとるべきか?/3 これらの決定をどこで下すべきか?

 

5 遺伝子組み換え、キメラ、ハイブリッド

倫理学研究からの視点/種の境界の道徳的意義/能力は種から始まる/種に基づく区別の正当化?/道徳的に無意味な事実/得られた教訓は?

 

結論

絡み合う人格議論/AI人格? リベラル派:賛成/AI人格? リベラル派:否定/AI人格? 保守派:賛成/AI人格? 保守派:否定/エンドゲーム

 

謝辞/訳者解説/原注/索引

 

◇ジェームズ・ボイル(James Boyle)
スコットランド出身の知的財産法学者。1959年生。デューク大学ロースクールのウィリアム・ニール・レイノルズ法学教授であり、同校パブリックドメイン研究センターの創設者でもある。デジタル時代の情報法の代表的論客として、クリエイティブ・コモンズとサイエンス・コモンズの設立にかかわるなど、オープンアクセス運動を主導してきた。著書にShamans, Software and Spleens: Law and the Construction of the Information Society(1996)、The Public Domain: : Enclosing the Commons of the Mind(2008)など。
◇山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学(MIT)不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務、途上国援助業務のかたわら、翻訳および各種の雑文書きに手を染める。著書に『翻訳者の全技術』(星海社新書、2025)、『経済のトリセツ』(亜紀書房、2021)、『たかがバロウズ本』(大村書店、2003)など。訳書にシェイダー『リチウム戦争』(ニューズピックス、2026)、アビー『ヒップホップ経営学』(DU BOOKS、2025)、ピケティ『21世紀の資本』(守岡桜、森本正史と共訳、みすず書房、2014)など。
◇森本正史(もりもと・まさし)
翻訳家。訳書にアンダーソン『チェ・ゲバラ』(上下、山形と共訳、みすず書房、2024)、ピケティ『資本とイデオロギー』(山形と共訳、みすず書房、2023)、トーゴフ『ジャズとビートの黙示録』(山形と共訳、日本評論社、2023)、ブラックローズ+リンゼイ『「社会正義」はいつも正しい』(山形と共訳、早川書房、2022)、ノルベリ『OPEN(オープン)』(山形と共訳、ニューズピックス、2022年)など。