パランティア 判断を外注する社会


堀内進之介 著
四六判並製 228頁
定価:2,310円(本体2,100円)
9978-4-7949-8074-8 C0036(2026年9月25日発売予定)


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聞いたことのない企業が、
国家のいちばん近くにいる──

AIデータ分析企業〈パランティア〉を入口に、AI時代の〈判断のインフラ〉を徹底分析。データ分析が社会の見える化を推し進め、われわれの意思決定の前提を形づくるとき、判断と責任の所在はどうなるのか? 気鋭の政治社会学者が鋭く問う。

警察、移民管理、医療、そして戦場。まるで異なる現場に、同じ企業の名があらわれる。AIデータ分析企業〈パランティア〉。散らばった記録を結び、関係やリスクを浮かび上がらせ、現場の人間が判断に用いる情報を整理して提示するのが、この企業だ。最後に決定を下すのは、たしかに人間である。だがその手前で、AIの組み込まれたシステムによって、何を見るか、何を優先するかがすでに方向づけられている。最後に決めるのが人間なら、それで人間が決めたと言えるのか? 判断が誤っていたとき、誰が説明するのか? 誰に異議を申し立てればよいのか? 社会の〈見える化〉が進むほど、責任の所在は見えにくくなる。パランティアを入口に、AI時代の〈判断のインフラ〉を問い直す一冊。

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【目次】

はじめに

序 章 パランティアをめぐる違和感

第1章 社会を「見えるもの」にする技術

第2章 公共領域がデータ企業を求める理由

第3章 戦争がAI企業を正当化するとき

第4章 ピーター・ティール 反国家から国家インフラへ

第5章 アレックス・カープ 哲学者CEOの矛盾

第6章 判断支援はいつ判断の外注になるのか

第7章 「 見方」を問い直す民主主義

終章 見える社会と、見えなくなる責任

あとがき

 

◇堀内進之介(ほりうち・しんのすけ)
立教大学文学部特任准教授。博士(社会学)。専門は政治社会学、応用倫理学。技術による人間の拡張(ヒューマン・エンハンスメント)を、能力の向上としてだけではなく、人間形成と社会設計を結びつける主題として研究してきた。AIによる判断支援もその一つと捉え、「支援」と「操作」を分ける基準を問い続けている。著書に『データ管理は私たちを幸福にするか?──自己追跡の倫理学』(光文社新書)、『人工知能時代を〈善く生きる〉技術』(集英社新書)、『善意という暴力』(幻冬舎新書)、共著に『あやうく、未来に不幸にされるとこだった』(吉岡直樹との共著、東洋経済新報社)ほか多数。