部外者の応答可能性

阿部幸大 著
四六判並製 248頁
定価:2,090円(本体1,900円)
978-4-7949-8075-5 C0095〔2026年10月14日発売予定〕


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いま世界で起きている
分断と対立を解決する鍵は、
被害者でも加害者でもない
「部外者」が握っている!

保守とリベラル、強者と弱者、戦争と平和……。この分断の時代において、どちらの陣営に所属すべきなのかを熟慮するのではなく、「分断の時代」という見立てそのものにあらがうための思考。それを本書は「部外者」と呼ぶ。
部外者とは、いっけん仲裁不可能にみえる「戦争」状況にあって、あたかもその「戦争」に気がついていないかのように戦線をずかずかと横切ることで、「敵」も「友」もつくらずに、ただ分断状況を無視する生き方が可能であることを体現する存在である。
J-POPからマンガまで、日米関係からクィアまで、多文化主義から地域格差まで。部外者の応答可能性を論じながら、現在の世界についてラディカルに考えるための人文学。

“すべてのイシューについて完全にリベラルまたは保守的な意見を持ちつづけることは不可能なのであり、われわれは刻々と変化するモザイク状の思想のパレットをそれぞれ持つにすぎないのだ。だれがどちらにつく人間なのかという陣営選択の二元論に囚われるとき、われわれはこの複雑な世界について思考することをやめている。そこに戦争状態が出来する──すなわち、分断という偽の問題が。”(「はじめに」より)

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【目次】

はじめに── 部外者の応答可能性

 

第1章 J-POP

Official髭男dism、MVのクィアネス
DA PUMP、沖縄の地政学
cero、音楽の魔術的リアリズム

 

第2章 マンガ

『BEASTARS』、加害者のコレクトネス
『ブルーピリオド』、少年のゆくえ
『僕のヒーローアカデミア』、ヒーローの戦後日米史

 

第3章 映像

『君の名は。』、忘却する風景
ジブリとゴジラ、反戦映画の保守思想
戦後日本のサブカルチャー、加害としての暴力

 

第4章 アメリカ

トニ・モリスン、部外者のリスク
スパイク・リー、部外者の連帯
『ヒルビリー・エレジー』、部外者の応答可能性

 

補論 

田舎者は金があっても大学に行けない──文化資本と教育の地域格差

 

あとがき

 

◇阿部幸大(あべ・こうだい)
1987年、北海道生まれ。筑波大学人文社会系助教。専門は人文学。研究コンサルティングのベンチャー、株式会社Ars Academica代表。著書に『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(光文社、2024年)、『まったく新しいテクスト分析の教科書』(光文社、2026年)、『ナラティヴの被害学』(文学通信、2025年)など。