薪を焚く

ラーシュ・ミッティング 著 朝田千惠 訳
A5判上製 312頁(カラー写真多数)
定価:3,630円(本体3,300円)
978-4-7949-7161-6 C0075 〔2019年11月〕


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世界15か国で翻訳、50万部超のベストセラー!!
異例の薪ノンフィクション

 

北欧の冬は寒い。屈指の寒冷地で古くから人は山に入り、木を伐り、薪を積んで乾燥させ、火をおこしてきた。薪焚きは生活に欠かせない技術として受け継がれ、いまもノルウェー人の生活文化に根づいている。

伐って、割って、積んで、乾かし、燃やす――
ただひたむきに木と対話する。そこに浮かび上がる、自然との関わり、道具への偏愛、スローライフの哲学、手仕事の喜び……

本書は薪焚きの実践的な知恵と技を伝えつつ、エネルギー問題に取り組む社会の変遷、大気汚染を抑える燃焼技術の革新、チェーンソーや斧など道具の歴史、薪愛好者たちへの取材など、薪をめぐる人々と社会の物語を描き出す。

 

◎世界15か国で翻訳、50万部超のベストセラー!!
◎ノルウェー本国では2011年刊行以来、16万部のロングセラー
◎英“The Bookseller” 誌 2016年最優秀ノンフィクション大賞受賞

 

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【目次】(抜粋)

プロローグ――年老いた男と薪

 

寒さ

薪割りと癒やし/薪使用の衰退と復活/エネルギーと国民文化/煙の出ない火はない?/自宅でつくれるエネルギー……

薪人――ある独身男の土地に描かれた森

どこで木を伐るか?/森へ/軽食ではなく、食事を/決して乾燥しない薪/昆虫や害虫/月の満ちかけが意味するもの/恒久的なグリーン・エネルギー/最高の薪になる木は?……

道具

尖っていなくてはならない/森での道具/ノルウェーでよく使われるチェーンソー/斧/神の福音、油圧式薪割り機……

薪人――チェーンソーのパイオニアたち

薪割り台

「薪割り年齢」/長いまま割る/膝立ちでの薪割り/冬場の薪運び……

薪人――南風を受ける薪小屋

薪棚

屋根を付けるか、付けないか?/薪を積むときのちょっとしたコツ/樹皮は上か、下か?/薪積みの方法……

薪人――庭の彫像

乾燥

フマータ・ネラ/乾燥の時期/聖ヨハネの日には乾燥する薪/平衡含水率に達した薪/台所での研究/火に当たるとどのくらい暖まるのか?……

ストーブ

クリーンバーン革命/未来のストーブ/煙突のドラフトと空気の供給/ストーブの使用とメンテナンス……

燃焼/焚き付け/大気汚染の最小化/着火は上から/夜間の暖房/灰掃除の芸術……

薪人――クリスマスの伐採とファヴン積み

 

エピローグ――バーニング・ラブ(燃える愛)

 

◇ラーシュ・ミッティング(Lars Mytting)
1968年、ノルウェー南部ギュブランスダーレンのフォーヴァング生まれ。ジャーナリスト、編集者として出版社勤務ののち、現在は専業作家。小説『Hestekrefter(馬力)』(2006)、『Vårofferet(春の犠牲)』(2010)を発表後、2011年に刊行した本書はノルウェーとスウェーデンだけで24万部を売り上げ、これまでに世界15 ヶ国で翻訳出版されている。2016 年には英“The Bookseller” 誌による年間最優秀ノンフィクション大賞受賞。続けて発表した小説『Svøm med dem som drukner(溺れし者と泳げ)』(2014、ノルウェー本屋大賞受賞)、『Søsterklokkene(双子姉妹の鐘)』(2018)もノルウェー国内でベストセラーに。作品は世界中で翻訳され、販売部数は5作品あわせて100万部を超える。黒ストーブを愛用し、廃棄されていたヨブーのチェーンソーを偏愛する薪人でもある。
◇朝田千惠(あさだ・ちえ)
1973年生まれ、大阪外国語大学(スウェーデン語)卒。大阪大学外国語学部非常勤講師(ノルウェー語)、翻訳者。訳書に『アルネ&カルロスのクリスマスボール』(日本ヴォーグ社)など。住まいのある滋賀では、就労困難を抱える人やハンディのある人の就労支援のひとつとして薪づくりや着火材づくりが行なわれている。本書の訳出にあたっては、原著者考案の道具と重機を除いて、ほぼすべての工程を体験してから行なった。
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