すべて名もなき未来

樋口恭介 著
四六判並製 314頁
定価:2,200円(本体2,000円)
978-4-7949-7177-7 C0095 〔2020年5月〕


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新世代の作家・批評家の誕生!
ありうべき未来をめぐる評論集

令和。二〇一〇年代の終わり、二〇二〇年代の始まり。インターネット・ミームに覆われ、フィリップ・K・ディックが描いた悪夢にも似た、出来の悪いフィクションのように戯画化された現実を生きるわたしたち。だが、本を読むこと、物語を生きることは、未来を創ることと今も同義である。未来は無数にあり、認識可能な選択肢はつねに複数存在する。だからこそ、わたしたちは書物を読み、物語を生き、未来を創造せねばならない。ディストピア/ポストアポカリプス世代の先鋭的SF作家・批評家が、無数の失われた未来の可能性を探索する評論集。社会もまた夢を見る。

帯文:若林恵(元ワイアード編集長、『さよなら未来』著者)

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【目次】

序 失われた未来を求めて

Side A【未来】

A1・音楽・SF・未来ーー若林恵『さよなら未来』を読みながら
A2・ディストピア/ポストアポカリプスの想像力
A3・生きること、その不可避な売春性に対する抵抗ーーマーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』
A4・The System of Hyper-Hype Theory-Fictions
A5・暗号化された世界で私たちにできることーー木澤佐登志『ダークウェブ・アンダーグラウンド』
A6・分岐と再帰ーーケヴィン・ケリー『テクニウム』
A7・断片的な世界で断片的なまま生きることーー鈴木健『なめらかな社会とその敵』
A8・亡霊の場所ーー大垣駅と失われた未来
A9・中国日記 2019年7月15日ー7月21日
A10・生起する図書館ーーケヴィン・ケリー『〈インターネット〉の次に来るもの』
A11・宇宙・数学・言葉、語り得ぬ実在のためのいくつかの覚え書きーーマックス・テグマーク『数学的な宇宙』

Side B【物語】

B1・生まれなおす奇跡ーーテッド・チャン『息吹』の読解を通して
B2・物語の愛、物語の贖罪ーーイアン・マキューアン『贖罪』
B3・未完の青春ーー佐川恭一『受賞第一作』解説
B4・明晰な虚構の語り、文学だけが持ちうる倫理ーー阿部和重『Orga(ni)sm』
B5・オブジェクトたちの戯れーー筒井康隆『虚航船団』
B6・苦しみが喜びに転化する場所としての〈マネジメント〉–新庄耕『地面師たち』
B7・批評家は何の役に立つのか?
B8・ホワイト・ピルと、愛の消滅ーーミシェル・ウエルベック『セロトニン』
B9・あいまいな全知の神々、未来の思い出とのたわむれーー神林長平『先をゆくもの達』
B10・エメーリャエンコ・モロゾフーー稀代の無国籍多言語作家
B11・忘却の記憶ーー言葉の壺に纏わる、九つの断章

 

◇樋口恭介(ひぐち・きょうすけ)
SF作家、会社員。2017年、投稿作「構造素子」が第5回ハヤカワSFコンテストで〈大賞〉を受賞し、作家デビュー。本書『すべて名もなき未来』が二冊目の著書となる。
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