昭和ノスタルジー解体

――「懐かしさ」はどう作られたのか

高野光平 著
四六判上製 380頁
定価:2,750円(本体2,500円)
978-4-7949-6996-5 C0095 〔2018年4月〕


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三丁目の夕日、宝島、廃盤ブーム、
おたく、渋谷系、おまけ玩具……

ゼロ年代の〈昭和ノスタルジー〉ブームは、なぜ世代を超えた一大ブームになり得たのか――。高度成長期が終焉を迎えた一九七四年にマンガ『三丁目の夕日』が連載開始。そこから映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が公開される二〇〇五年までの約三十年間に、昭和を愛好する文化がどのように形成されてきたかを、マンガやテレビ、雑誌、広告、おもちゃ、音楽、映画、ファッション、レジャー施設など幅広い領域に目を向けながら考察する。

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【目次】

ふたつの「三丁目」のあいだに

〈一九七〇年代〉

第1章 ニューノスタルジーの誕生――『三丁目の夕日』とその時代
第2章 キープオンの誕生――「ぼくたちの世代」とおたくの胎動
第3章 キッチュ感覚の誕生――文化屋雑貨店と『ビックリハウス』

〈一九八〇年代〉

第4章 一九六〇年代の解放――『POPEYE』と語りの世代交代
第5章 ニューウェーブな過去――アナクロ・廃盤・ゴジラブーム
第6章 懐古ブームと揶揄される七〇年代――「キッチュ」と「愛」の折り合い
第7章 レトロブームと昭和の終わり――収容されたすべてのセンス

〈一九九〇年代〉

第8章 レトログレッシヴの時代――渋谷系の音楽とデザイン
第9章 「スリーオー」の一九九〇年代――おしゃれ、おたく、おとな

〈二〇〇〇年代以降〉

第10章 集合的記憶化する昭和――昭和レトロブーム
第11章 「懐かしの昭和」の完成――「ALWAYS 三丁目の夕日」とその後
第12章 ノスタルジー解体――昭和の記憶のこれから

 

あとがき/参考文献一覧/参考雑誌一覧

 

◇高野光平(こうの・こうへい)
1972年生まれ。茨城大学人文社会科学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科助手、茨城大学人文学部講師、同准教授を経て、2016年より現職。編著に『テレビ・コマーシャルの考古学』(世界思想社)、共著に『歴史と向き合う社会学』(ミネルヴァ書房)、『文化人とは何か?』(東京書籍)、『テレビだョ! 全員集合』(青弓社)など。
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