性愛と暴力の神話学

〈神話叢書〉
木村武史 編著
四六判並製 368頁
定価:2,750円(本体2,500円)
978-4-7949-7301-6 C0095〔2022年3月〕


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生命エネルギーの奔流が激突するところ、
「性愛」と「暴力」が鮮やかに描かれる

日本における神話研究の最前線を斬新な観点から
平易に伝える<シリーズ神話叢書>、待望の第一弾!

神話が人間の本質に関わる物語であるとしたら、性愛と暴力ほど人間が人間である所以に深く関わるテーマはないのではないだろうか。古今東西、性愛の喜びと悲しみの詩や暴力や死に立ち向かう英雄譚は人々を魅了し続けている。暴力の神話については「メドゥーサ」から南米の「インカリ神話」まで。性愛の神話については「お菊」譚から「ドゴン神話」まで。互いが重なりあって存在している情景を丹念な調査と研究から明らかにする。

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【目次】

1:南郷晃子「花の名を持つ女:むごく殺されるお菊、お花をめぐって」(日本)
2:斧原孝守「暴虐の巨神と原初夫婦神:中国の古典神話と民間神話の世界から」(中国)
3:川村悠人「手足で待ちかまえる女根たちと征服する男根たち」(インド)
4:石川巌「ギムポ・ニャクチクの花嫁:古代チベット土着宗教儀礼説話への招待」(チベット)
5:内海敦子「インドネシアの神話:秘するべき男女の愛、愛すべきものへの暴力」(インドネシア)
6:深谷雅嗣「『ホルスとセトの争い』:同性愛と暴力」(エジプト)
7:松村一男「メドゥーサはなぜペルセウスに殺されねばならなかったのか?」(ギリシャ)
8:横道誠「グリム兄弟の仕事:ゲルマン神話とドイツの昔話の暴力と性愛に関して」(ゲルマン)
9:木村武史「双子の妹を求めるオゴの性愛の罪を贖う供犠と再生による世界創造:マリ、ドゴン神話より」(アフリカ)
10:谷口智子「ラテンアメリカにおけるエロスと暴力:征服のトラウマとしてのインカリ神話と民衆劇」(ラテンアメリカ)
11:木村武史「ヴァギナ・デンタータとココペリ:豊穣・幸福と恐怖・病・暴力」(北米)

 

◇木村武史(きむら・たけし)
1962年生まれ。筑波大学人文社会系教授。1998年、シカゴ大学大学院神学校宗 教学専攻修了、Ph.D. 専門は宗教学、アメリカ研究。最近の主な著作に『北米 先住民族の宗教と神話の世界』(筑波大学出版会、2022年)、「ロボット・AI と宗教についての序論的考察」、津曲真一・細田あや子編『媒介物の宗教史 (上)』(リトン社、2019年)ほか多数。
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