ラブレターの書き方

布施琳太郎 著
四六判並製 344頁
定価:2,200円(本体2,000円)
978-4-7949-7403-7 C0010 〔2023年12月〕


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つながりすぎた社会で
〈二人であることの孤独〉を取り戻す

若きアーティストによる
SNS時代の恋愛・制作・人生論

人を愛する、とは詩で、
詩を詩のままにするのが、
ラブレターなのかなって思う。
――最果タヒ

「本書が捉えようとするのは、すべてがつなげられた社会から脱出して二人の時間を過ごし、その後で、労働や学校、家族といったつながりへと帰っていくことを可能にする世界制作の方法である。つまり二人のあいだで接続と断絶を様々に組み替えて、自分たちの手でストーリーを作る方法の模索である。そうした行き来を可能にするのがラブレターなのだ」(本書より)

新時代のアーティストが提案する、SNS以降を生きるための〈新しい孤独のプラクティス〉。

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【目次】

はじめに

序章 二人であることの孤独

第一部 ラブレターの歴史

第一章 代筆されたラブレター
恋文横丁における代筆文化
自動手記人形の主語
共に作る喜び

第二章 「私」の場所
寺山修司のラブレター
日本語の問題
詩的な病い/病的な詩

第三章 「あなた」の場所
光年性のラブレター
行為=場所としてのポスト
インターネットのなかのラブレター

第二部 恋人たちの共同体

第四章 ラブとは何か
恋愛の起源
ロマン主義的恋愛
ロマンティック・ラブ・イデオロギー

第五章 『魔法使いの弟子』
バタイユの恋愛論
運命というメビウス
恋人たちの共同体

第六章 誤変換的リアリズム
二人であることの病い
見えるものと、見えないもの
誤変換の恋人

あとがき 作品からラブレターへ(コンテンツではない)

 

◇布施琳太郎(ふせ・りんたろう)
アーティスト。1994年生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)卒業。東京藝術大学大学院映像研究科(メディア映像専攻)修了。スマートフォンの発売以降の都市における「孤独」や「二人であること」の回復に向けて、社会を成立させる日本語やプログラム言語、会話などを操作的に生成し直すことで、映像作品やウェブサイト、絵画、ボードゲームなどの制作、詩や批評の執筆、展覧会のキュレーションなどを行っている。主な活動として個展「新しい死体」(2022/PARCO MUSEUM TOKYO)、廃印刷工場におけるキュレーション展「惑星ザムザ」(2022/小高製本工業跡地)、600ページのハンドアウトを片手に造船所跡地を巡る展覧会「沈黙のカテゴリー」(2021/名村造船所跡地〔クリエイティブセンター大阪〕)、ひとりずつしかアクセスできないウェブページを会場とした展覧会「隔離式濃厚接触室」(2020)など。参加展覧会に「時を超えるイヴ・クラインの想像力」(2022/金沢21世紀美術館)など。『文學界』『美術手帖』『現代詩手帖』『ユリイカ』への寄稿をはじめとして執筆活動でも注目を集める。受賞歴に、平山郁夫賞(2022)、第16回美術手帖芸術評論募集「新しい孤独」佳作入選(2019)。Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023「世界を変える30歳未満」にも選出。2023年11月、第一詩集『涙のカタログ』(PARCO出版)刊行。2024年3月に国立西洋美術館はじめての現代美術展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」を控える。
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